2006年3月30日木曜日

インド見聞録-1

VCの会合があって、インドに行って来た。折角の初めてのインドだったのでいろいろ見てきた。今回はその見聞録である。

① 想像以上に貧富の差が激しい。たとえば、携帯電話のキャリアや機器開発会社、ソフトウェア会社をいくつか訪ねた。これらの会社は財閥系の会社、振興の会社に拘わらず、そのオフィスは正に天国だ。ファーニチャーも高級だし什器も立派で、かつてよく行った、シアトルのマイクロソフトのオフィスを彷彿とさせた。ついでながらインテルのオフィスはCEOから新入社員に至るまで、大部屋をローパティションで区画しただけの粗末なオフィスである(これはこれで立派な見識であるが)。携帯キャリアの一社Hutchの場合は、来客が会議中に携帯電話を充電できるよう、全機種への充電器が備え付けられてあったのも印象深かった。しかし、これらのオフィスを一歩出るとそこは正に究極のスラム街で、狭い、舗装もない凸凹の道路の両側は石を積み上げただけの貧民窟で、ゴミの中から再生のために売れるものを選り分ける人たち、不清潔そうな食べ物屋の回りにたむろする人たち、何故か水溜まりの中に寝そべる犬たち、、、と筆舌に尽くし切れない街の様子であった。

② ガンジス川は美しい大きな川である。ヒンズー教の聖地と知られるバラナシはガンジス川の流域に作られた街で、教徒が教えに従って良き来世を願ってガンジス川で沐浴をする。男性は褌姿、女性はサリー姿で川に入り、水を頭から浴び、ついでにシャボンで頭や衣類を洗濯している人もいる。


2~3kmの流域内の上流側には遺体の焼却場もあり、毎日運び込まれるカラフルな死装束に着飾られた遺体が薪の上に置かれて焼かれている。ざっと見たところ同時に最大3~4体程度が焼かれるようで、1体を償却するのに7時間ほど掛かると言うからざっと一日に数体が焼かれているのだろうか。焼き終わると灰をガンジス川に流して輪廻転生からの解脱を図るという。


こんな事を聞いていたので、ガンジス川はきっとどろどろ汚く濁って流れる小さな川だと想像していたのだ。ところが、実際のガンジス川は川幅も数百メートルはあり、深くて蕩々と流れ、川中なら自分でも飛び込んで泳げそうな美しい川である。考えてみればそれもその筈で、毎年ヒマラヤからの膨大な量の雪解け水が流れる大河なのだ。家内と二人でボートを雇って川に乗り出したが船頭の話では人口250万人の生活排水は下のスケッチの右上にあるピンク色の塔に集めて下流に移し、ガンジス川には流し込んでいないという。

対岸に渡ってスケッチをしたが、若者たちが僕らの下手くそなスケッチを見に集まってくる。スケッチの一つの楽しみはこういう時の会話が楽しめることである。とにかく、ガンジス川は想像以上に素晴らしい川である。今回は以上です。また続きを書きます。