2008年4月18日金曜日

ゴックゴックゴック、ファー!

変なタイトルですが、これ多くのビールメーカーがテレビコマーシャルでやっているあれです。ビールは喉越しだー!
昨夜、サントリーの山本隆三さんから「サントリー ザ・プレミアム・モルツ開発秘話」のお話を伺いました。山本さんはサントリー(株)ビール事業部商品開発部の技術顧問をしておられ、ビールの世界最高峰を選ぶモンドセレクションで3年連続最高金賞を獲得したザ・プレミアム・モルツの開発者です。
山本さんは美味しいビールづくり一筋に人生を掛けた根っからの技術者です。話しながら、苦労した時代を思い出し、ニタッと何かを思い出される表情は純粋で、自分にもあんな純粋な時があったなー、と妙な感慨にふけりました。
ところで、お話を聞いていて、なるほどナー!と思い出したことがあります。
今回はビールがテーマです。

ベルギーではビールをチビチビと時間を掛けて飲みます。
昨年暮れに訪れたときも、隣のテーブルにいた男ばかり4人の若者たちがそれぞれの前にグラスを置き、本当にチビリチビリとビールを楽しんでいました。あれっーと周囲を見回すとみなさんが同じようにビールを美味しそうに、舐めるように、チビリチビリと味わっているのです。それに引き換え、日本人の私たちはグビグビと飲んでしまいます。ビールは喉越しでということが植え付けられているのですね。もちろん、喉が渇いたときにビールをグビグビやるのは堪りませんねー! それは知っているのですが、ベルギーの人たちのようなこんなビールの楽しみ方もあることは知っていて良いのではないでしょうか。
そう言えば、先の4人の若者たちのテーブルには食べ物が何も乗っていません。ツマミなしでビールをチビチビやる。彼らは一度も追加のビールを取りませんでしたよ。これは新鮮な驚きでした。
山本さんのお話でも、ザ・プレミアム・モルツはゆっくり楽しんでくれという開発者の願いが聴き取れます。ゆっくり舌の上で転がして味わってもらえるように、渋みが舌に残らない工夫やまろやかな風味にする努力が山のように積まれてザ・プレミアム・モルツが出来上がったということです。味合わずに喉を通過されるだけではモッタイナイ!というほど工夫に工夫を重ねて到達した味だということです。

そう言えば、バーやサロンと言った飲み処に行くとウィスキーを水割りにすることが多いですね。私は薄い水割りはウィスキーを一番不味く飲む方法だと信じているのですが、業界のある人は「ウィスキーを最も大量に消費されるには、結局濃度の薄い水割りが一番」ということで、酒造メーカーがテレビコマーシャルなどを通じて水割りを普及させたと聞いたことがあります。プロジェクトに加わった本人の告白でした。
そう考え合わせると、ビールを最も大量に消費させる方法はゴックゴックゴック、ファー!と喉越しで飲ませることですよね。うん???

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