2006年10月4日水曜日

代読

先だって3つの省が関与するイベントに出席した。壇上にはそれぞれの省の副大臣が居並んでいる。主催者挨拶の後、3人の副大臣が順次、演題に上がって挨拶をした。それが全て、それぞれの省の大臣の挨拶の代読であった。「大臣は公務多忙のため出席できませんのでメッセージを預かって参りました。代読させて頂きます」と断って、お定まりの如く背広の胸ポケットから挨拶状を取り出して挨拶状を読み上げる。正にお定まりの光景である。しかし、待てよ。副大臣はもっと自信を持って自分の挨拶をしたらどうなんでしょう。副大臣は大臣をすぐ直下で補佐する要職です。「大臣は公務多忙のため出席できませんので、副大臣の私が代わってご挨拶申し上げます」と、堂々と省を代表してご自分の考え、思い、激励の言葉を述べられて良いのではないでしょうか。

数年前にある省主催のイベントで基調講演したとき、挨拶に来られた事務次官がやはり大臣の挨拶を代読された。私の基調講演も聴かれた事務次官と、ブレークの時間に控え室でお茶を飲んだとき、「次官といえば企業で言えば社長です。今日は次官がご自分で出席されたことをみんな喜んでいます。代読などせずにどうしてご自分の言葉でお話戴けなかったのですか」と率直にお話した。当の次官は「えっ! そうですね。良いことを言って頂いた。これからは自分の言葉で挨拶をします」と実に率直に礼を述べられたことがある。この方、立派な人ですね。

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