アントレプレナーを顕彰する仕組みは本来、自然発生的にアントレプレナーたちが集い、ある時は口頭泡を飛ばせて経営哲学を戦わせ、夫々の仕事への思いを言い募り、相補完するベンチャーは協業のプランを練り、苦戦する仲間の肩を叩き、明日の日本を起業家たちのハビタットにするための貢献を誓う、そういう日常活動が先にあるべきだと思う。
そういう日常活動の中から「おい、起業家の世界代表を決めるイベントがモンテカルロであるんだってよ。我々も代表を出すか。先ずはお前が最適だ」、「いや、彼女が良いと思う」と議論が白熱し、「じゃー、審査委員会を作ろうか」と発展していくことが一番相応しい。「日本の優れた起業家を顕彰する仕組みは、起業家たち自身が手作りで育てていくことが望ましいのだ」と私は思う。
この問題意識を持ち続けて本EOY-Jに参画し、特に審査委員長をお引き受けしたこの3年間は、EOY‐Jの活性化(起業家自身の積極的な参画という意味で)のためにいろいろやったが成果を出せずに終わった。推薦部会の草の根活動を取り戻したり、過去応募アントレプレナーの再挑戦を呼び掛けたり、ファイナリスト選定過程と同期して起業家が集うリアルのコミュニティを実施したり、起業家が集うバーチャル・コミュニティとしてEOYブログを立ち上げたりと推薦部会、事務局の協力でやってきたが、しかし、起業家の積極的な参画は進まない。
いや、むしろ、その問題意識そのものが私の勝手な思い込みであったようだ。むしろ、「ベンチャー経営者は自分の会社のことで手一杯で、そんなことをやっていられない」というのが大勢の意見らしい。そして、「日本の優れた起業家の顕彰は起業家自身の問題であるはずだ。運営資金もアイディアも審査まで何もかもを既成の人や既成企業に頼っているのは本来の姿ではない」と考えるのは私を含めて極々少数意見なのかも知れない。それでも現在の委員長としては次の審査委員長は起業家自身にやってもらいたいと思っている。そして起業家たちの奮起を願うばかりだ。
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