変なタイトルですが、これ多くのビールメーカーがテレビコマーシャルでやっているあれです。ビールは喉越しだー!
昨夜、サントリーの山本隆三さんから「サントリー ザ・プレミアム・モルツ開発秘話」のお話を伺いました。山本さんはサントリー(株)ビール事業部商品開発部の技術顧問をしておられ、ビールの世界最高峰を選ぶモンドセレクションで3年連続最高金賞を獲得したザ・プレミアム・モルツの開発者です。
山本さんは美味しいビールづくり一筋に人生を掛けた根っからの技術者です。話しながら、苦労した時代を思い出し、ニタッと何かを思い出される表情は純粋で、自分にもあんな純粋な時があったなー、と妙な感慨にふけりました。
ところで、お話を聞いていて、なるほどナー!と思い出したことがあります。
今回はビールがテーマです。
ベルギーではビールをチビチビと時間を掛けて飲みます。
昨年暮れに訪れたときも、隣のテーブルにいた男ばかり4人の若者たちがそれぞれの前にグラスを置き、本当にチビリチビリとビールを楽しんでいました。あれっーと周囲を見回すとみなさんが同じようにビールを美味しそうに、舐めるように、チビリチビリと味わっているのです。それに引き換え、日本人の私たちはグビグビと飲んでしまいます。ビールは喉越しでということが植え付けられているのですね。もちろん、喉が渇いたときにビールをグビグビやるのは堪りませんねー! それは知っているのですが、ベルギーの人たちのようなこんなビールの楽しみ方もあることは知っていて良いのではないでしょうか。
そう言えば、先の4人の若者たちのテーブルには食べ物が何も乗っていません。ツマミなしでビールをチビチビやる。彼らは一度も追加のビールを取りませんでしたよ。これは新鮮な驚きでした。
山本さんのお話でも、ザ・プレミアム・モルツはゆっくり楽しんでくれという開発者の願いが聴き取れます。ゆっくり舌の上で転がして味わってもらえるように、渋みが舌に残らない工夫やまろやかな風味にする努力が山のように積まれてザ・プレミアム・モルツが出来上がったということです。味合わずに喉を通過されるだけではモッタイナイ!というほど工夫に工夫を重ねて到達した味だということです。
そう言えば、バーやサロンと言った飲み処に行くとウィスキーを水割りにすることが多いですね。私は薄い水割りはウィスキーを一番不味く飲む方法だと信じているのですが、業界のある人は「ウィスキーを最も大量に消費されるには、結局濃度の薄い水割りが一番」ということで、酒造メーカーがテレビコマーシャルなどを通じて水割りを普及させたと聞いたことがあります。プロジェクトに加わった本人の告白でした。
そう考え合わせると、ビールを最も大量に消費させる方法はゴックゴックゴック、ファー!と喉越しで飲ませることですよね。うん???
2008年4月18日金曜日
2006年10月10日火曜日
2006年10月6日金曜日
EOY-J ファイナリスと日本代表選定を終えて
既報の通り本年度のファイナリストと日本代表が決定した。昨日のアワード・レセプションの中で、セミファイナリストの皆さんの1分間スピーチを聞いていて「あー、この人もファイナリストの値打ちがあるなー」と思わずにはいられないことが何度もあった。十分な審査を尽くしたという自信がありながらも、命を掛けて事業をやっている人たちを審査することの重みに耐えかねた。皆さんの1分間スピーチが終了したときに予定外に壇上に上がり、審査委員長として、「今日、ファイナリストにならなかった人に審査委員会がXの評価を付けたわけではありません。ベンチャーにはその発展段階でいつEOYにチャレンジするかのタイミングの問題があります。今日、ファイナリストに選ばれなかった人はファイナリストの人と比較してタイミングが合わなかっただけです。ですから、来年、再来年にまた挑戦してください。日本代表になるまで何度でも挑戦して頂きたいのです。お願いします」と率直にお願いした。
今年度の審査の過程を振り返ってみると、本プログラムの基本に戻って推薦部会の草の根活動を重視し、セミファイナリストの選定は推薦部会に一任されるところから始めた。ただし、その後の審査に参考となる情報を得るべく、多くの審査委員も推薦部会での語り部たちのプレゼンを傍聴した。その後、選ばれたセミファイナリストたちを、まず全員30分のインタビューをし、審査委員会で議論した後、昨日の選考会で再度5分のプレゼンをお願いし、さらに絞り込んで精度をより上げるために一部の人たちにはもう一度10分のインタビューをさせて頂いた。これで全ての審査委員が全てのセミファイナリストをインタビュー出来るように配慮した。
だから、審査委員としては万全を尽くしたという思いがある。しかし、一方で今回は選に漏れた人たちには「ゴメンね。来年も是非また挑戦してくださいね」という思いを禁じえない。
挑戦者の皆さん、ありがとうございました。選ばれた人たちは大変おめでとうございます。推薦部会、事務局のみなさん、ご苦労様でした。審査委員の皆さま、お疲れ様でした。日本代表の鈴木清幸さん(アドバンスト・メディア)モナコで頑張ってください。
今年度の審査の過程を振り返ってみると、本プログラムの基本に戻って推薦部会の草の根活動を重視し、セミファイナリストの選定は推薦部会に一任されるところから始めた。ただし、その後の審査に参考となる情報を得るべく、多くの審査委員も推薦部会での語り部たちのプレゼンを傍聴した。その後、選ばれたセミファイナリストたちを、まず全員30分のインタビューをし、審査委員会で議論した後、昨日の選考会で再度5分のプレゼンをお願いし、さらに絞り込んで精度をより上げるために一部の人たちにはもう一度10分のインタビューをさせて頂いた。これで全ての審査委員が全てのセミファイナリストをインタビュー出来るように配慮した。
だから、審査委員としては万全を尽くしたという思いがある。しかし、一方で今回は選に漏れた人たちには「ゴメンね。来年も是非また挑戦してくださいね」という思いを禁じえない。
挑戦者の皆さん、ありがとうございました。選ばれた人たちは大変おめでとうございます。推薦部会、事務局のみなさん、ご苦労様でした。審査委員の皆さま、お疲れ様でした。日本代表の鈴木清幸さん(アドバンスト・メディア)モナコで頑張ってください。
2006年10月4日水曜日
代読
先だって3つの省が関与するイベントに出席した。壇上にはそれぞれの省の副大臣が居並んでいる。主催者挨拶の後、3人の副大臣が順次、演題に上がって挨拶をした。それが全て、それぞれの省の大臣の挨拶の代読であった。「大臣は公務多忙のため出席できませんのでメッセージを預かって参りました。代読させて頂きます」と断って、お定まりの如く背広の胸ポケットから挨拶状を取り出して挨拶状を読み上げる。正にお定まりの光景である。しかし、待てよ。副大臣はもっと自信を持って自分の挨拶をしたらどうなんでしょう。副大臣は大臣をすぐ直下で補佐する要職です。「大臣は公務多忙のため出席できませんので、副大臣の私が代わってご挨拶申し上げます」と、堂々と省を代表してご自分の考え、思い、激励の言葉を述べられて良いのではないでしょうか。
数年前にある省主催のイベントで基調講演したとき、挨拶に来られた事務次官がやはり大臣の挨拶を代読された。私の基調講演も聴かれた事務次官と、ブレークの時間に控え室でお茶を飲んだとき、「次官といえば企業で言えば社長です。今日は次官がご自分で出席されたことをみんな喜んでいます。代読などせずにどうしてご自分の言葉でお話戴けなかったのですか」と率直にお話した。当の次官は「えっ! そうですね。良いことを言って頂いた。これからは自分の言葉で挨拶をします」と実に率直に礼を述べられたことがある。この方、立派な人ですね。
数年前にある省主催のイベントで基調講演したとき、挨拶に来られた事務次官がやはり大臣の挨拶を代読された。私の基調講演も聴かれた事務次官と、ブレークの時間に控え室でお茶を飲んだとき、「次官といえば企業で言えば社長です。今日は次官がご自分で出席されたことをみんな喜んでいます。代読などせずにどうしてご自分の言葉でお話戴けなかったのですか」と率直にお話した。当の次官は「えっ! そうですね。良いことを言って頂いた。これからは自分の言葉で挨拶をします」と実に率直に礼を述べられたことがある。この方、立派な人ですね。
2006年10月3日火曜日
EOY-Jの審査委員長をベンチャー経営者に託します
アントレプレナーを顕彰する仕組みは本来、自然発生的にアントレプレナーたちが集い、ある時は口頭泡を飛ばせて経営哲学を戦わせ、夫々の仕事への思いを言い募り、相補完するベンチャーは協業のプランを練り、苦戦する仲間の肩を叩き、明日の日本を起業家たちのハビタットにするための貢献を誓う、そういう日常活動が先にあるべきだと思う。
そういう日常活動の中から「おい、起業家の世界代表を決めるイベントがモンテカルロであるんだってよ。我々も代表を出すか。先ずはお前が最適だ」、「いや、彼女が良いと思う」と議論が白熱し、「じゃー、審査委員会を作ろうか」と発展していくことが一番相応しい。「日本の優れた起業家を顕彰する仕組みは、起業家たち自身が手作りで育てていくことが望ましいのだ」と私は思う。
この問題意識を持ち続けて本EOY-Jに参画し、特に審査委員長をお引き受けしたこの3年間は、EOY‐Jの活性化(起業家自身の積極的な参画という意味で)のためにいろいろやったが成果を出せずに終わった。推薦部会の草の根活動を取り戻したり、過去応募アントレプレナーの再挑戦を呼び掛けたり、ファイナリスト選定過程と同期して起業家が集うリアルのコミュニティを実施したり、起業家が集うバーチャル・コミュニティとしてEOYブログを立ち上げたりと推薦部会、事務局の協力でやってきたが、しかし、起業家の積極的な参画は進まない。
いや、むしろ、その問題意識そのものが私の勝手な思い込みであったようだ。むしろ、「ベンチャー経営者は自分の会社のことで手一杯で、そんなことをやっていられない」というのが大勢の意見らしい。そして、「日本の優れた起業家の顕彰は起業家自身の問題であるはずだ。運営資金もアイディアも審査まで何もかもを既成の人や既成企業に頼っているのは本来の姿ではない」と考えるのは私を含めて極々少数意見なのかも知れない。それでも現在の委員長としては次の審査委員長は起業家自身にやってもらいたいと思っている。そして起業家たちの奮起を願うばかりだ。
そういう日常活動の中から「おい、起業家の世界代表を決めるイベントがモンテカルロであるんだってよ。我々も代表を出すか。先ずはお前が最適だ」、「いや、彼女が良いと思う」と議論が白熱し、「じゃー、審査委員会を作ろうか」と発展していくことが一番相応しい。「日本の優れた起業家を顕彰する仕組みは、起業家たち自身が手作りで育てていくことが望ましいのだ」と私は思う。
この問題意識を持ち続けて本EOY-Jに参画し、特に審査委員長をお引き受けしたこの3年間は、EOY‐Jの活性化(起業家自身の積極的な参画という意味で)のためにいろいろやったが成果を出せずに終わった。推薦部会の草の根活動を取り戻したり、過去応募アントレプレナーの再挑戦を呼び掛けたり、ファイナリスト選定過程と同期して起業家が集うリアルのコミュニティを実施したり、起業家が集うバーチャル・コミュニティとしてEOYブログを立ち上げたりと推薦部会、事務局の協力でやってきたが、しかし、起業家の積極的な参画は進まない。
いや、むしろ、その問題意識そのものが私の勝手な思い込みであったようだ。むしろ、「ベンチャー経営者は自分の会社のことで手一杯で、そんなことをやっていられない」というのが大勢の意見らしい。そして、「日本の優れた起業家の顕彰は起業家自身の問題であるはずだ。運営資金もアイディアも審査まで何もかもを既成の人や既成企業に頼っているのは本来の姿ではない」と考えるのは私を含めて極々少数意見なのかも知れない。それでも現在の委員長としては次の審査委員長は起業家自身にやってもらいたいと思っている。そして起業家たちの奮起を願うばかりだ。
2006年8月25日金曜日
こりゃ参った
久しぶりに新幹線の中でパソコンでセッセと仕事をする人に出会った。ところがこの人のキーボードを打つ音がうるさいの何の!キーボードの打音がもともと高い構造である上に、指を高い位置からパチパチと打ち付けるのである。しかも上手にパチパチと打つ。まるで考えていないように。こりゃ参った!何を参ったかというと、能率向上のために新幹線車内でまで仕事をしているのだから、立場上、「やかましい」と文句を言いにくいのだ。日本経済の対外競争力を考えるとき、横でビールを食らって寝てる奴のほうが問題なのだ。しかし、やかましい。気に留めなければたいしたことは無いのかもしれないが、気にしだすと最後、パチパチは益々ケタタマシイほどだ。参って遠くのほうへ席を替えた。唯一の解決策であった。やっぱり基本的なマナーは前提ですよね。
2006年8月3日木曜日
情報漏洩対策に一言
個人情報の漏洩問題でパソコンを社外に持ち出すことを禁じている会社が多い。しかし、90数%の漏洩問題が社内の不心得者により、意図的に情報が持ち出されていることによるという統計結果を見るときに、「情報漏洩を防ぐために社員のパソコン持ち出しを禁じています」と金科玉条のごとくルール化することの是非は問うて見る必要はあるだろう。
実際、社外でパソコンが使えなくなって、「昔と比べて仕事の能率は半分以下です」とか、「子供が居るので昔は定時に帰宅して子供の面倒を見、夜は家庭でパソコンに向かって仕事が出来たのに、今はオフィスでしかパソコンを使わせてもらえないので、止む無く残業が増え、子供の面倒が見られません」と嘆く女性のソフト開発者も多い。さらに、「昔は新幹線で出張のときにはずっとパソコンで仕事をしていましたが、いまは新幹線ではパソコンが無いので仕事は出来ません。ビールを飲んで居眠りしていることが社内で公認されています」との話もある。
また、こんな会社がある。「客先でのプレゼンが翌朝9時からあるときも、プレゼン資料を前日に持ち帰ることはセキュリティに問題があると許されなくなりました。当日の朝早くにオフィスに行ってプリントアウトしてから客先に向かいます」と言うことである。
先日、この会社の幹部を尋ねて訪問した。建物に入るときには、よくあるようにガードマンが敬礼してバッグの中をチェックする。爆弾が持ち込まれては困るからチェックは結構なことだが、これが客の気持ちに配慮してか、いい加減なチェックだ。皆さんも経験があるでしょう。こんないい加減なチェックならやらないほうがいいのではないかという程ちょっと視線を向ける程度だ。ところが、もっと驚くことには、面談が終わって退出するときには何のチェックも無い。もし、情報漏洩防止を真剣に考えているのなら、客のバッグの中を退出時にこそチェックすべきではないだろうか。しかし、バッグの中をチェックしても、社外に持ち出してはならない資料であることをガードマンが発見できるだろうか。情報漏洩防止は難しいよ。
もし、社内の不心得ものが客のパソコンにデータを記録させて持ち出すとなると、退出時にバッグの中に資料が無いかをチェックするだけでなく、客がパソコンを持ち込むこと自体を禁止しなければならない。
こう考えていくと情報漏洩を完全に防ぐことは不可能に近い。では、社員の社外でのパソコン使用を禁じていることの効果はどれくらいあるのだろうか。何事か起こったときの言い訳くらいの意味しかないのではないだろうか。その為に失われている生産性は莫大なはずだし、パソコンの持ち出し禁止で大きなダメージを食らう部署がより厳格に管理されている現状はこれでいいのだろうか。
能率とセキュリティはトレードオフだ。トレードオフであることをしっかり認識した上で適切な対策をしておかなければ、社員の能率だけしっかり落としただけで何も安全になっていないことを経営者は理解しているのだろうか。やっていることが中途半端だ。
実際、社外でパソコンが使えなくなって、「昔と比べて仕事の能率は半分以下です」とか、「子供が居るので昔は定時に帰宅して子供の面倒を見、夜は家庭でパソコンに向かって仕事が出来たのに、今はオフィスでしかパソコンを使わせてもらえないので、止む無く残業が増え、子供の面倒が見られません」と嘆く女性のソフト開発者も多い。さらに、「昔は新幹線で出張のときにはずっとパソコンで仕事をしていましたが、いまは新幹線ではパソコンが無いので仕事は出来ません。ビールを飲んで居眠りしていることが社内で公認されています」との話もある。
また、こんな会社がある。「客先でのプレゼンが翌朝9時からあるときも、プレゼン資料を前日に持ち帰ることはセキュリティに問題があると許されなくなりました。当日の朝早くにオフィスに行ってプリントアウトしてから客先に向かいます」と言うことである。
先日、この会社の幹部を尋ねて訪問した。建物に入るときには、よくあるようにガードマンが敬礼してバッグの中をチェックする。爆弾が持ち込まれては困るからチェックは結構なことだが、これが客の気持ちに配慮してか、いい加減なチェックだ。皆さんも経験があるでしょう。こんないい加減なチェックならやらないほうがいいのではないかという程ちょっと視線を向ける程度だ。ところが、もっと驚くことには、面談が終わって退出するときには何のチェックも無い。もし、情報漏洩防止を真剣に考えているのなら、客のバッグの中を退出時にこそチェックすべきではないだろうか。しかし、バッグの中をチェックしても、社外に持ち出してはならない資料であることをガードマンが発見できるだろうか。情報漏洩防止は難しいよ。
もし、社内の不心得ものが客のパソコンにデータを記録させて持ち出すとなると、退出時にバッグの中に資料が無いかをチェックするだけでなく、客がパソコンを持ち込むこと自体を禁止しなければならない。
こう考えていくと情報漏洩を完全に防ぐことは不可能に近い。では、社員の社外でのパソコン使用を禁じていることの効果はどれくらいあるのだろうか。何事か起こったときの言い訳くらいの意味しかないのではないだろうか。その為に失われている生産性は莫大なはずだし、パソコンの持ち出し禁止で大きなダメージを食らう部署がより厳格に管理されている現状はこれでいいのだろうか。
能率とセキュリティはトレードオフだ。トレードオフであることをしっかり認識した上で適切な対策をしておかなければ、社員の能率だけしっかり落としただけで何も安全になっていないことを経営者は理解しているのだろうか。やっていることが中途半端だ。
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