この大企業はどこかおかしいよ 私の本職はVC。技術力のあるベンチャーをどんどん大企業に紹介してwin-winでの協業が成立するように指導することを仕事のメインに置いている。
なぜなら、ベンチャーは一般的に言って技術力はあっても
、
• 販路を持たない
• 量産の能力/ノウハウがない
• ブランドがない
• 宣伝・広告費がない
• 営業体制がない
• 与信がないから適正な在庫を持てない
• 二の矢、三の矢を番える(次の商品開発)ための研究開発体制がない
• 人材がない、時間がない、待てない、無い、無い、無いモノづくめ
なのだから、大企業がその技術を正しく評価してOEMで採用をしたり、代理店として販路を提供したり、Co-Brandingで知名度を提供したりという協力が不可欠である。このことは大企業が損をすると言うことではない。リストラで開発分野を限定したり、開発体制を縮小した大企業が必要な技術をすべて自前でやっていくことは不可能であるし、効率的ではない。いまは外部の技術を如何に活用するかが問われている。
それなのにだ、最近こんな大企業を見付けた。紹介した技術は特異で用途も広い。なんでこんなコトが出来るのかと訝るほどの特異技術だ。しかも、某大企業がその技術を高く評価して採用し、市場が出来つつある。実績が出つつあるのだ。ただし、そもそもの技術力に比べてその用途は限られているので、もっと広い範囲に展開させようと大企業への紹介を進めていた。その途上で、ある某大企業の登場となる。この会社の開発部長は、そのベンチャーの技術そのものは高く評価した上で、しかも自社への応用範囲が広いことを認めた上で、ベンチャーが提示したデモ機の完成度にケチを付けた。こんなチャチな実装では実用上のトラブルにつながりかねないという。その理由でこのベンチャーの技術を採用することを否としたのだ。
待って下さいよ。量産のための技術開発は大企業側の責任でしょう?そんなことは大企業の一番得意の技術でしょう? 自分発の技術でないモノを、市場が形成され出すとマネをして、高度の量産技術でコストを下げて薄利多売で売りまくるのは大企業の得意だったはずです。技術そのものが良ければ「量産技術は任せておけ」というのが大企業のはずだ。ところが、上の例では「どんなに良い技術でも、量産技術まで確立できてない技術は危なくて採用できません」と言っているのです。大丈夫ですかね?この大企業は。
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