次のスケッチはサルナートにある考古学博物館の中にある展示物。右の4面のライオン像はインドの国章として札にも印刷されている。館内は写真撮影が禁止なのでスケッチが役に立った。いずれもたったまま5分ほどで描いたもの。
④インドではほとんどの人たちが英語を話す。タクシーの運転手はもちろんのこと、前述の小さなボートの船頭さんもペラペラだ。27歳の船頭さんは家庭が貧しかったためにまったく学校に通っていないというのに英語を流暢に操る。早口の上、seasonをセジョンと発音するなどで日本人には聞き取りにくいかも知れないが、バンバン一生懸命に話す。どこで勉強したのと聞くと、「生きるために小さいときからボートを漕いで生きている。客を取るのに英語が必須なので観光客から英語を聞き学んだ。だからこう言うときが勉強の場です」としゃべるワしゃべるワ。お陰でガンジス川やインドの家庭に関していろんな事を学んだが、間断なくしゃべり続けるので、静かなガンジスの川面で船に揺られてボケーッとする願いが叶わない。と言って折角勉強のためにしゃべっているのをムゲにも出来ないので辛抱して相手になっていたが、これではおしゃべりが留まらない。心を鬼にして、「分かった、分かったからちょっと黙っていてくれ。静かなガンガを最大限に楽しみたいからしゃべらずに静かにして、船の櫨の音が心地良いからゆっくり漕いでいてくれ」と言うとやっと静かになった。「静かに蕩々と流れるガンガと船の櫓の音」は心に染みた。それにしても、我々日本人が中学生から10年間近くも学校で英語を学んでいながら、しゃべれないのは実践経験がないためだ。小学校での英語教育が決まったようだが、幾ら早くから、また幾ら永く学校で勉強しても実践で使わないと習得は適わない。
2006年4月6日木曜日
インド見聞録-2
③インドと言えば仏教の発祥の地である。ところが、実際にインドに行ってみると意外にも仏教の影響が余り見えない。至るところあるのはヒンドゥー教だ。上述のガンジス川の沐浴もそうだし、インドの人たちが最も愛し尊敬し畏怖するのはヒンドゥー教のシバ神とその妻パールバァーテー神、それに父親のシバ神に誤って首を切り落とされ、慌ててゾウの首をすげられたムルガ神で、これらは至る所にまつられている。それもそのはず、インドの宗教を人口比で見ると、ヒンドゥー教83%、イスラム教11%、シク教2%、仏教1%弱となっている。下のスケッチはバラナシから直ぐ近くにあるサルナートの仏教寺院で堂内の壁には日本人画家が戦前に描いた壁画がある。シャカ(釈迦)族の王子ゴーダマシッタルタが菩提樹の木の下で悟りを開く話など、シャカの一生が周囲の壁一面に描かれている。
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